IE サポート終了によせて
投稿: 2022年6月14日 (最終更新: 2023年12月1日) • 4 分 で読了 • 1,700 語来る6月16日(日本時間)、Internet Explorer が27年の歴史に幕を閉じます。今回は、そんな Internet Explorer との思い出を語っていこうと思います。
※上記画像は米国時間に準じているためサポート終了が6月15日となっていますが、日本時間では6月16日です。
約10年前、僕が初めて PC に触れた頃、ブラウザといえば Internet Explorer が主流でした。
学校でも、「インターネットを見るときは青い"e"のマークをダブルクリックしなさい」と教わったものです。
そして中には、IE のことを「インターネット」と呼ぶ人もいました。
インターネットエクスプローラーを略して言っているのか、それとも仕組みとしてのインターネットが IE であると誤解しているのか、真実は本人にしかわかりませんが、そういう人もいた、ということです。
実はその時期に Chrome も触ったことがありましたが、当時の Chrome は大変重く、結局 IE を使っていました。
2015年に Windows 10 が登場し、それと同時に Microsoft Edge もリリースされました。
しかし、当初の Edge の品質は最低で、ページが読み込まれず空白のページが表示されたり、機能が少なかったりしました。
僕はこの頃、IE と Chrome、 Edge を行き来していたと思います。
IE をしばらく使って飽きてきたら Chrome 、それにも飽きてきたら Edge 、それも飽きたらまた IE … という感じです。
当時の Edge は Chrome と違って起動が爆速だったのは良かったです。
ただ、当時はあまり意識していませんでしたが、今になって調べてみると当時の Edge のメモリ使用量は半端なかったようです…
あと、Microsoft の Edge への囲い込みが行われ始めたのもこの頃です。
今に比べたらそこまで劣悪ではありませんでしたが。
そしてこの頃から、IE 終了へのカウントダウンが始まったのです。
現在の最新の IE のバージョンは11ですが、 IE 11 は2013年にリリースされたものです。
それまで、 IE はたいてい数年ごとにメジャーアップデートがあるのが通例でした。
しかし、IE 11 に関してはリリースから9年が経過しようとしているのです。
現在はほとんど見かけなくなりましたが、2017年頃の Yahoo! 知恵袋には「IE 12 は出ないんですか?」という質問が一定数存在しました。
ちなみに、それらの質問のベストアンサーは皆「NO」と答えていました。
「今後は Edge の開発に専念し、 IE の機能追加は行わない」と Microsoft が発表したのが 2017 年頃だったと思います。(記憶違いでしたらすみません)
そして脱 IE の動きが強まっていきます。
といっても、当時の Edge は低品質だったため、移行先は Chrome がほとんどでした。
2020年の春の大型アップデートで、 Chromium Edge が標準搭載されました。
Chromium Edge は従来の Edge から180度方針を転換したブラウザです。
レンダリングエンジンに Chrome と同じ技術を使用し、Chrome 並の速さや安定性を実現しました。
また、Chrome と同等に速いのにメモリ使用量が少なかったり、「コレクション」などの独自機能が使えたりするため、IE から新 Edge への移行が急速に進みました。
一方で、 Microsoft による Edge への囲い込みが急速に激化したのもこの頃です。
アップデートを終えると突然、全画面で Chromium Edge の紹介が表示されたので驚いた人も多かったでしょう。
また、Chromium Edge の登場によって、 IE を動作保証対象外に位置づけるサイトが増えました。
実は今日、学校で IE のサポート終了が話題になりました。
その時、隣で聞いていた ALT の先生が「IE を未だに使っているのは日本くらいではないか」と仰っていました。
その先生の出身は G7 のようなバリバリの先進国ではありませんが、すでに Chrome 等への移行が進んでいるようです。
日本がいかに IT 後進国であるかを気付かされました。
今となってはオワコンとなった IE ですが、インターネットの普及において重要な役割を果たしたことは間違いありません。
長い歴史を持つものがなくなってしまうことは寂しくはありますが、これも運命なのでしょう。
IE さん、ありがとう、そしてお疲れ様でした。