Windows ユーザーが Manjaro に乗り換えて感じたメリット・デメリット

投稿: 2022年6月23日 (最終更新: 2023年5月21日) • 読了目安: 5 分
Windows ユーザーが Manjaro に乗り換えて感じたメリット・デメリット

先日、メインPCのOSをWindowsからManjaroに変えました。2週間ほど使ってみて感じたメリットとデメリットを紹介します。

Manjaroとは?

詳しい説明は割愛しますが、今人気のLinuxディストリビューションです。

導入のハードルが富士山よりも高い(個人の感想です)Arch Linuxを簡単に扱えるようにしたのが特徴です。

PCスペック

Core i5 1135G7

8GB RAM

256GB PCIe SSD

良くも悪くもない、普通のスペックです。

Windows 11も余裕で動くのですが、開発でDockerを使うとメモリが枯渇する問題があったため、「じゃあメモリを食わないLinuxに移行しよう!」となりました。

メリット5つ

メモリ使用量が少ない

「重い」と言われるGNOMEを使用していますが、Firefoxでこのブログ原稿を書いている最中でもメモリは2.5GBしか消費していません。

起動直後では1GBほどになることもあります。

Windowsはメモリに余裕がある場合には予め多めにメモリを確保しておく性質があるため、単純な比較はできませんが、同じような状況だとWindows 11では5GBは消費します。

また、開発で仮想環境を立ち上げても、Windowsの場合はWSLを経由する必要があるのであっという間にスワップしますが、ManjaroではホストOS自体がLinuxであるため、全体でも5GBほどしか消費しません。

軽い

そもそもPCのスペックがそれなりにあるのでWindowsとの差はあまり感じませんが、確かに動作のカクつきがほとんどないように感じます。

Windowsではスタートメニューを開く際に若干カクつくことがありました。(特に起動直後)

それがManjaroではほとんどありません。

また、ブラウザの性能を測れるSpeedometer 2.0を実行したところ、あのFirefoxで90というスコアが出ました。

(昔は140くらいいっていたような…?)

Speedometerのスコア

ちなみにWindows版のFirefoxでは60くらいです。

OSを変えただけで1.5倍になるとはすごいですよね。

カスタマイズ度が高い

Linux全般に言えることですが、とにかく自由にカスタマイズできます。

何なら、ファイルをネットから落としてきて指定されたフォルダに配置すれば、UIをWindows風やMac風に簡単に変えられます。

起動画面を変えることだってできます。

Windowsでもフリーソフトを使えばある程度のカスタマイズは可能ですが、どうしても「無理やり感」が出てしまいます。

これがLinuxなら設定ファイルをちょちょいと書き換えるだけです。

(「それがムズいんだよ」という声が聞こえてきそうですが)

ただ、カスタマイズしやすい分、触れてはいけない部分を触ってしまうとすぐに起動不可になるという側面もあります。

WSLを使わなくていい

Windowsで開発をしていたときにはWSLを使っていました。

これはこれで非常に便利で、革新的なものだと思うのですが、WSLの起動には時間がかかりますし、メモリも食います。

これがLinuxなら、そもそも仮想環境自体が不要です。

非常に快適に開発をすることが出来るようになりました。

トラックパッドでの操作が快適

Manjaroは、初期の状態でトラックパッドのジェスチャーと慣性スクロールをサポートしています。

Linuxディストリビューションはトラックパッドへの対応がいまいちなことが多いですが、Manjaroは最初から完璧に対応してくれているのでありがたいです。

トラックパッドのジェスチャーは、まるでMacかのようにヌルヌル動いてくれます。

デメリット4つ

日本語環境の準備が面倒

Ubuntuなど簡単に日本語環境が整うディストリビューションがある一方、Manjaroの場合は自分で日本語環境を用意する必要があります。

一応、Manjaroにも言語を選ぶだけで自動でその言語に必要な環境を整えてくれる機能が搭載されていますが、僕の場合はそれがうまく動かず、結局自分でやらなければなりませんでした。

また、システムフォントも初期設定では中華臭くなっているので、自分で変える必要があります。

プリインストールアプリが多い

完全版のManjaroはとにかくプリインストールアプリが多いです。

まずはこのアプリたちを削除する必要があります。

とはいえ、某OSと違って、「アップデートをしたら消したアプリが復活した」なんてことはないのでご安心ください。

バッテリーが持たない(こともある)

Linuxは初期状態ではバッテリーが持ちません。

しかし、PowertopとTLPを使用することでバッテリー駆動時間を伸ばすことができます。

僕はこの方法を実践した結果、逆にWindowsよりもバッテリーが持つようになった気がします。

PowertopとTLPは以下のコマンドで導入することができます。

sudo pacman -S powertop tlp
systemctl enable tlp.service
sudo tlp start

使うのがむずい

いくらArch Linuxを簡単に使えるようにしたManjaroであっても、Linuxであることには変わりありません。

トラブルも多く、そのたびに自分で解決しなければなりません。

情報は基本英語で、解決に何日もかかることがあります。

Linuxは素晴らしいOSですが、一方で難しいOSでもあります。

実機にWindowsを消してLinuxを入れるのもいいですが、まずは仮想環境から始めて徐々にステップアップしていくのがおすすめです。

まとめ

今回はWindowsからManjaroに乗り換えて感じたメリットとデメリットを紹介しました。

Manjaroは素晴らしいOSなので、Linuxに興味があるという方はぜひ一度触ってみてください!